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スナッチャー

(ゲーム)
すなっちゃー

「SNATCHER」。コナミのアドベンチャーゲーム。監督は小島秀夫。
オリジナルは1987年末に発売されたMSX2版とPC88版だが、全三章中の二章で終わり、全ての謎が解明されないままエンディングを迎えるため、当時から完全版を望む声が多かった。
その後、第三章にあたる物語を追加したRPG「SDスナッチャー」が発売されたが、AVGとして完全な「スナッチャー」は、92年のPCエンジン版の発売を待つことになる。
その後セガサターンやプレイステーションにも移植された。
退廃的な未来社会を舞台にしたサイバーパンク*1の世界観、緩急自在の物語展開が特に評価された名作。音楽も秀逸。

1991年6月6日、モスクワの片隅で、ちいさな悪意が花開いた。
その日、モスクワのチェルノートン研究所で起きた原因不明の爆発は、人類の半分を地表より拭い去る悪夢の序曲だった。研究所から漏れた細菌兵器「ルシファーα」はすさまじい感染力をほこり、上昇気流にのったそれは、死の肱(かいな)をユーラシアのすみずみまで広げた。人類の8割がこのちいさな生き物によって死に、東欧諸国と、ウラルからシベリアにいたる、かつてソ連と呼ばれた国土のすべてが、人の踏み入れることのかなわぬ穢れた土壌と化した。この史上最悪の生物災害は、後に「大惨事」という味も素っ気もない名前で呼ばれることになった。とはいえ、人類が限りなく滅亡に近づいたこの黙示録にどんなふさわしい名があるというのだろうか、それを思いつく者はいなかった。
 かつてソ連を治めていた者たちは、ユーロに逃げおおせて「自由ロシア」亡命政府を建設した。そして、かつてソ連と呼ばれた場所は、国連の管理のもとに「シベリア中立領土」として隔離され、年に1度、完全防護の探検隊が足を踏み入れるだけの寂しい土地となった。

そして、48年後、2039年、一機の旅客機が落ちた。
瀬戸内海につくられた巨大人工島、ネオ・コウベ・シティ。そこからトウキョウに飛び立った飛行機は、六甲山に墜落した。最初は、ただの墜落事故だった。その中からヒトならざる者/モノの骸が見つかるまでは。この異常事態に政府は、秘密裏に世界各国の情報機関に調査依頼を出した。しかし、その謎をといてくれる機関は、どれひとつとしてなかった。翌年、ネオ・コウベ市長の死体が川に浮かんだ。奇妙だったのは、死体が発見されたその翌日、その市長自身が堂々と市議会に現れたこと。逮捕されてスキャンされた彼は人間ではなかった。市長と一寸違わぬ膚(はだえ)の下にあったのは、あの墜落した飛行機から出てきた機械の骸──バイオロイドと呼ばれることになるそれと同じだった。
ヒトの躯を奪い、本人になりすます機械の魔物。それはのちに、「スナッチャー(盗む者)」と呼ばれた。

そしてパニックがはじまった。警察は対策委員会を設置したが、疑念を火種に燃え上がった恐怖は、またたくまにネオコウベを制圧した。ひとの皮膚を持つ機械の脅威。ひとになりすまし、そのオリジナルの人間の身分と生活を奪い、それは日常に溶け込んでいる。隣人ということばが恐怖の同義語と化したネオ・コウベは、魔女狩りの横行する中世の如き様相を呈し、罪もない多くの人々がその犠牲になった。この狂乱に手を打ちかねた政府は、民事立法で令状なき者の身体スキャンを禁じた。
そして政府は、瀬戸内海に浮かぶ人工の土地、ネオ・コウベと本土を結ぶ橋の封鎖を決定した。恐怖を、ネオ・コウベの街に封じ込めるために。

2042年、政府諜報機関「RUG HUNT」と警視庁対策チームを母体として、対スナッチャー特殊警察「JUNKER」が設立された。裁判所発行のスキャン令状を以て、ヒトとヒトならざる者たちを選り分け、狩り出す、人類の脅威に対する最前衛。しかしスナッチャーたちは、この新たな機関に対する反撃を開始した。3週間のあいだに4人の捜査官たちが倒れるか、あるいは植物人間となった。捜査官の激減にJUNKERの運用を危ぶんだ政府は、緊急対策として賞金稼ぎ(バウンティ・ハンター)制度を決定した。

 そして年の暮れ、42年12月、ひとりの男が捜査官としてJUNKER本部に赴任した。名前はギリアン・シード。2039年、スナッチャーと人間のファーストコンタクトの直前に、シベリア中立領土で軍に保護されたものの、それ以前の記憶はまったくなかった。ただその頭にはスナッチャーという言葉だけが、意味を失ったまま残っている。自分は過去にスナッチャーとなにか関係があったのではないか。そんな自分の記憶を掘り起こすために、彼はJUNKERとなった。

また、”ヒデラジ”で放送通算300回記念として小島秀夫監督作品のアドベンチャーゲーム”スナッチャー”を基にしたラジオドラマ「スダッチャー」が
放送された。

*1:むしろ映画「ブレードランナー」の影響が強い。

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