歌人。 1912年8月23日、新潟県生まれ。 北原白秋の秘書を勤めた後、富士製鉄所に入社。 1946年11月、第1歌集『群鶏』を刊行。 1953年3月、歌誌『コスモス』創刊。 1983年11月、日本芸術院会員となる。 1986年12月11日、急性心不全で死去。 歌人の近藤芳美は、宮が他界したとき、その作風について次のように評している。 「自分の内面を見つめ、人間の孤独をうたい続けた」
昨日、文学雑誌「群像」について書いたところ、少し反響をいただきましたので、また書かせてもらいます。 現在、書店で発売中の「群像 2021年12月号」にて、群像新人評論賞が発表されています。 授賞された方々、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。 お気づきになった方も見えるかもしれませんが、私も「宮柊二」という歌人を取りあげた文章を応募しましたが、最終候補までにはいたらなかったようです。以前もこのブログに書きましたが、私は今まで、十数回(ひょっとすると二十回以上)、予選だけ通過して、最終選考に至らないという体験をしてきました(最終選考に残り、授賞に至った賞もあるのですが)。反対に、最初…
講談社 穂村弘 著 「ぼくの短歌ノート」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 永遠の顔 「永遠」という言葉はうっかり手軽に使いがちですが、こうやってテーマとして取り上げられるとうーん…、ってなっちゃうのは、やっぱりどこかリアルじゃないっていうか、その瞬間には続きがあるよなって思ってしまうからかも。多分、私にとっては永遠よりもまだ「虚数」とか「蛆虫」とかの方がリアルだから。 永遠に忘れてしまう一日にレモン石鹸泡立てている (東直子) とか 流れつつ藁も芥も永遠に向ふがごとく水の面にあり (宮柊二) とか、光景を思い浮かべて美しいなとは思うのですが、共感できるかって…
鎌倉に所用で出かけました. 少し早く着いたので,鎌倉駅からすぐのおんめさま(大巧寺)へ.鶴岡八幡宮の二ノ鳥居近く, 大好きな,このブログでも一番多く取り上げてきた寺院. いつ行っても花に出会えるお寺です.今日であった花々は: ヤマザクラとトキワマンサク. ヒメツルソバとタンポポ. ヤマブキ. ヒメウツギ.こちらはまだ蕾.もうすぐ花開きそうです. ハナニラとオオツルボ(ワイルドヒヤシンス). リキュウバイ(ウメザキウツギ). ヒルムシロ. ザクロの芽とマツの蕾. そして アセビ/アシビ(馬酔木). アセビは,この時期,鎌倉のお寺・寺院では必ずと言っていいほど出会う花.個人のお宅の門の横や垣根の横…
[私の百人一首] その2 34 楽しみは妻子(めこ)睦まじくうちつどひ頭(かしら)並べてものを食ふ時 (橘曙覧(あけみ)「独楽吟」、作者1812-68は幕末の歌人、国学者、平易な歌を詠んだ、この歌も家族愛がほほえましい) 35 君とわがたゞ身二つのかくれ里かくれはつべき里もなきかな (樋口一葉、「ああ、貴方と二人だけで駆け落ちして、誰も知らない里に、二人だけで隠れ住んで人生を終えられたら何て素敵でしょう、でも・・」、「君」は一葉の師の半井桃水か、24歳の短い生涯に唯一の恋) 36 燃えて燃えてかすれて消えて闇に入るその夕栄(ゆふばえ)に似たらずや君 (山川登美子1900、登美子21歳、「君」は…
一昨日訪ねた大船フラワーセンター. 冬の植物たちが,晴れた空の下で輝いて見えました. 昨日も紹介した,梅.そしてプラタナス,アブラナ. コウヨウザン(広葉杉)は中国南部や台湾を原産地とする常緑針葉樹.ヒノキ科ですがスギ属ではなくコウヨウザン属. 植物園の一角にサルスベリの様々な品種を集めた場所があります. ほとんど気づきませんでした.夏に来たことがないことも一因でしょう.花を見たことがないので.今年は8月に来て見ましょう. サザンカは所々に植えられています. クスノキはかなり大きくなってきていますが,まだ,大木というほどではありません.この並んで植えられているクスがどの様な姿になっていくのか-…
一昨日は鎌倉浄明寺への散歩. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2024/01/22/235624 帰り道は,荏柄天神,鶴岡八幡宮,川喜多映画記念館に立ち寄り,梅の花を楽しんできました. 咲き始めの白梅・紅梅の花は,元気であって大好きです. 荏柄天神 鶴岡八幡宮 川喜多映画記念館 梅の花を詠んだ短歌4 (古今短歌歳時記より) 月のまへに白梅のはな見てすわりむかしの人になりぬごとし 中村憲吉 軽雷集 紅梅の咲くやこころはやや明(あか)る寒微(かんび)に堪へし妻子(つまこ)おもへば 前川佐美雄 紅梅 いざなひて家居(いえい)の妻に見する花ただ…
今日は晴れの予報が出ているが、昨日一昨日は雪だった。この一週間は読書に明け暮れていた。読んでいたのは、徳仁親王(今上天皇)の『テムズとともに』(紀伊国屋書店)と王躍文の『紫禁城の月』(メディア総合研究所)である。 『テムズとともに』は二十代の徳仁親王が、1983年6月末から85年10月初旬までのオックスフォード大学留学期間に、見たり、聞いたり、体験したことを記したものである。1993年に出版されたが、今回学習院創立百五十周年の記念事業の一環として復刊された。ある記事に素晴らしい本であると紹介されていたので読んでみた。文章は実に明快で読みやすく、楽しく読むことができた。本当にいい本だった。 徳仁…
2023年を振り返ってみます。今年はいろいろと収穫のある1年でした。
風も強く,とても寒い1日でした. 横浜での買い物の帰りがけ,野毛山動物園に行って来ました. 野毛山動物園 入園料無料の親しみやすい動物園ですが,さすがにこの寒さ.来園者はチラホラ. しかし,多くの動物たちは,寒さにもめげず,姿を見えてくれていました. 野毛結愛間公園内の植物は,落葉樹はほとんど葉を落としていましたが,ドウダンツツジ,イチョウの紅葉はまだ残っていました. クス ドウダンツツジ イチョウ アビシニアコロブスは寒さのせいか,屋外に出てはいませんでした. レッサーパンダは,初めは,姿を見せませんでしたが,餌の時間には屋外へ.少ない来園者の多くが集まつてきてカメラを構えていました.さすが…
昨晩から降り始めた雨. 昼前にはあがりましたが,鎌倉の木々に,そして寺院の参道にも,午後まで雨の跡が残っていました. 昼すぎ,晴れ間がかなり広がった瞬間もありましたが, 全体に曇りがち. とはいえ,雨のあとの清々しい紅葉を楽しめました. おんめ様(大巧寺)のカエデとツルウメモドキ. 本覚寺のセンダン. 妙本寺のカエデ. そしてイチョウ. 午後一端やんだ雨. 夜になってまた降り始めました. 冬の雨を詠んだ短歌 (古今短歌歳時記より) 冬の雨/市街の寺の大木の,なつかしきかな,/高く立てるは. 土岐善麿 黄昏に 冬の雨あがりて寒し板屋根の低くそろへる街を見おろす 島木赤彦 氷魚 冬の雨の石にひびか…
今日の鎌倉は太陽はほとんど出ることのない1日でした.ウェザーニュースでは「真冬なみの寒さ」との報が. 明日以降はまた暖冬に戻るようですが--- https://tenki.jp/forecaster/gureweather/2023/12/05/26420.html ところで,この「真冬なみ」とは,どのようなことを言っているのでしょうか? NHKの「にいがたWEBレポート」によれば, https://www.nhk.or.jp/niigata/lreport/article/002/81/ 「真冬並みの気温ということがありますが、真冬とはいつのことを指しているのでしょうか?」という質問をいただ…
11月も最終日. フラワーショップは,既にクリスマス・正月仕様. 鎌倉で,多分,一番新しい品種を揃えているお店の店先を撮影させてもらいました. ガーデンシクラメン,ハボタン. ビオラ. クリスマスローズとシキミア. マンリョウ「紅孔雀」 そして,様々な色と模様のポインセチア. そして,ポインセチアといえば,やはり赤が似合います.以前の品種より,更に赤が際立った品種が並べられていました. 以下,以前のブログの繰り返しになります. https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2021/12/15/225229 https://yachikusakusa…
よく晴れた,寒さもそれほど気にならない過ごしやすい1日.昼すぎに,鎌倉おんめ様(大巧寺),本覚寺,妙本寺に参拝.夕方訪れることが多かったお寺で清々しい午後を過ごしました. (妙本寺での結婚式の前撮りが,もう少し少なければ,もっと清々しかったのにとも思いますが) 以下,道中とこれらのお寺で撮った秋の実・花,紅葉/黃葉の写真を並べます. クロガネモチ(クロガネホーリー,モチノキ科モチノキ属). 赤い実は,多く見かけるナンテン,マンリョウ.シロヤマブキの黒い実. ツルウメモドキ(ニシキギ科ツルウメモドキ属)の黄色い実.とてもかわいらしい実です. たわわに実ったキンカン. 本覚寺のセンダン(センダン科…
昨日の「真冬なみの寒さ」が,今日は一転,小春日和に! https://tenki.jp/forecaster/kubo_tomoko/2023/11/27/26296.html 明日はもっと温かくなるという予報.しかし,金曜日はまた寒くなる--- 「冬来たる」を題材としてのブログの二回目なのですが,実際の気候は,なかなか一致してくれません. 昨日出かけた英勝寺. フジ,ヤマノイモ,ハゼノキ,カエデの紅葉/黃葉を掲載しましたが,他にもイチョウやヤマブキがしっかり黄葉していました. 今の時期咲いているのはツワブキ. 山茶花は,かなり散り始めていました. サネカズラの赤い実. そして,このあたりでは…
「秋深き」「秋ふかみ」を詠んだ歌を取り上げて3日目なのですが--- 一昨昨日の記録的な暑さを,今日,またまた更新! https://weathernews.jp/s/topics/202311/070155/ https://tenki.jp/forecaster/gureweather/2023/11/07/26006.html それでもやはり11月.色々な樹木に実がつく季節です. ソヨゴ(モチノキ属)は色づいていますが,レッドロビン(カナメモチ属)はまだこれから? だいぶ色づいたナンテンと,かなり前から色づいているトキワサンザシ. ミカン.種類は? ツタ.紅葉の美しさではトップクラス. マ…
菊という名前 世界で最も菊を愛する中国と日本.ともに名前としては「菊」が使われています. https://www.google.com/search?中国開封菊文化祭 https://www.google.com/search?日本の菊展 日本に菊が渡来したとき(奈良時代後半〜平安時代初期)に,この漢字も同時にもたらされたのでしょう. ところで,「キク」という読み方は,音読みですか訓読みですか?という問いかけがネット上にありました. 正解は,「音読み」. (吉海直人 菊にまつわるお話 https://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/faculty_column/…
塚本邦雄が案内する濃密な近現代の短詩型の世界、短歌と俳句を交互に取り上げ103の作品とその作者を紹介鑑賞している。昭和51年から52年にかけて2年間にわたって週刊の「サンデー毎日」に連載していた原稿がベース。詩歌アンソロジー編纂に長けた博覧強記の塚本邦雄の2年間にわたる検討の結果を一挙にくぐり抜けるとさすがにぐったりする。世に数多ある凡作を排斥しながら秀歌や秀句を立て続けに紹介称揚されると、賛嘆の気持ちが湧くとともに、自分の側の凡人が根をあげてたじろいて一歩退くという残念な結果も望まないのについてくる。はじめて名を聞くような作家もいて、日本の詩歌の世界の裾野の広さと、堆積された作品の膨大さにも…