山口県民としては観に行っておきたいと、会期終了間際の庵野秀明展へ行ってきた。私に「日本のおたく四天王」と呼ばれる庵野秀明の存在を教えたのは、安野モヨコのコミックエッセイ『監督不行届』だった。私は庵野秀明を『新世紀エヴァンゲリオン』の監督ではなく、安野モヨコの夫として知ったのである。『監督不行届』で描かれる“カントクくん”は、天真爛漫な変人、でも繊細、みたいな人で、すごく良い感じなのだが、巻末の「庵野監督カントクくんを語る」インタビューもまた良い感じなのだった。惚気とは違う、ひとりの女性に対する尊敬と愛情がストレートに伝わってくるインタビューで、当時大学生だった私は心底「こういう人と結婚したい……