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長期脳死

(サイエンス)
ちょうきのうし

長期脳死とは、脳死診断後に30日以上にわたり心臓が停止しない症例のこと。日本では、厚生省研究班が「小児脳死診断基準作りのための検討」(2000年)において長期脳死の存在を認めている。
長期脳死者の存在が明らかになるにつれ、「脳死と判定された患者すべては、ほどなく心臓停止に至る」という通説は否定されるに至った。

大人に比べると、子どもは長期脳死になりやすいことが、症例の検討から判明している。下記は、森岡正博「まるごと成長し、まるごと死んでいく『自然の権利』」(2009年)からの一部引用である。

まるごと成長し、まるごと死んでいく「自然の権利」:参議院スピーチandNHK教育テレビ「視点論点」スピーチ

  二〇〇〇年に日本医師会雑誌に発表された旧厚生省研究班の論文、「小児における脳死判定基準」という論文があります。これでありますけれども、これは日本の小児脳死判定基準を定めた決定版の論文でございます。寺岡さんが発言で引用されていたものであります。論文には次のように明記されています。まず、脳死とされる六歳未満の子供について厳密に無呼吸テストを二回以上実施して無呼吸が確認されたケースが二十例あったと述べられています。これは小児脳死判定基準を厳密に満たしております。そして、その二十例のうちの七例が長期脳死になっています。すなわち、無呼吸テストを行った六歳未満の脳死の子供のうち、何と三五%が長期脳死になっています。さらに、驚くべきことに、そのうちの四例、すなわち二〇%が百日以上心臓が動き続けております。これが論文で発表されている事実です。
  無呼吸テストを厳密に実施した脳死判定で、脳死の子供の三割以上が長期脳死になっており、二割は百日以上心臓が動いている、我々はまずこの厳粛たる事実を胸に刻まなくてはなりません。どうしてこのような重大な事実が国民に広く知らされてこなかったのでしょうか。この論文は、日本で最も権威のある脳外科の医師である竹内一夫先生のグループによって執筆されたものでございます。
  この論文の注に引用されている論文の一つが皆様の今お手元に資料として配られております。これを御覧になりながらお聞きいただきたいと思うのですが、この論文は日本救急医学会雑誌二〇〇〇年のもので、「三百日以上脳死状態が持続した幼児の一例」というものであります。これは兵庫医科大学のケースであります。
  このケースでは、生後十一か月の男児が脳死になった後、厚生省研究班の小児脳死判定基準を二回の無呼吸テストを含め厳密に満たしております。その状態で三百二十六日間、約一年弱心臓が動き続けております。論文には、二回の無呼吸テストを含む神経学的評価を行い、基準案を満たしていることを確認したと明記されておりますし、また、医学的には本例は早期から脳死状態にあったことは間違いないと明記されています。小児脳死判定基準を厳密に満たし、二回の無呼吸テストを行い脳死と判定された上で三百二十六日間心臓が動き続けた長期脳死の例がはっきりとあるのです。
  また、それだけではありません。この間、身長が七十四センチから八十二センチまで伸びています。成長しているのです。また、九十日ごろから手足を動かし始め、著しいときにはあたかも踊るように見えた、いわゆるラザロ兆候というものですが、と書かれております。手足の動きは心停止まで続いております。再度確認しますが、この兵庫医科大学のケースでは、無呼吸テストは二十四時間空けて二回行われています。

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