かつて「品川の師匠」と呼ばれていた落語家がいたことを保田武宏著『東都噺家百傑伝』を読んで知った。「品川の圓蔵」とか「品川の師匠」と呼ばれた四代目橘家圓蔵師匠のことだ。六代目三遊亭圓生師匠の師匠というとイメージできるかもしれない。昔でいう品川宿、徒歩新宿、今の北品川に暮らしていたそうだ。といっても、亡くなられてから100年を越えている。 他にも昭和の落語家に品川に縁のある人がいる。林家彦六師匠(八代目林家正蔵)だ。こちらは笑点を少し前に勇退された林家木久扇師匠の師匠。後年の姿を木久扇師匠がおじいさんの物真似で時々やって見せていた。彦六師匠は浅草の稲荷町に暮らしていたことから「稲荷町」と掛け声がか…