博士課程が苦しいのは、万国共通である。彼らに対して僕ができることは、かつての僕を救ってくれた、本やエッセイの中の言葉を贈ることくらいである。 うちのラボには3人の学生がいる。年次で言うと、5年生が1人、3年生が2人である。3人とも女性である。 * アメリカの大学院では、1年目はラボ探しに充てるので(ラボの「ローテーション」という)、実際に研究をスタートさせるのは2年生になってからである。 ** 5年生の子は、ヨーロッパ系3世のブラジル人で、穏やかで、場を和ませるのが得意である。僕は、ラボの中では彼女と話す時間が一番長い。3年生の子の2人は、2人ともラテン系のアメリカ人である。 その3人が、3人…