桜花舞上三夫(さくらのはなまいあがる・みつお)謎の無人島からの五人目、六人目の死者として報道され世間を騒がせた角倉志兄弟、その二人の弟である三男。三十代、企業取締役。 大学を出て象県鹿島市の某一流企業に運良く就職。数年後、会社の経営陣である一家・桜花舞上家の娘に見初められ婿養子に入り改姓。妻の力で出世コース、役員の座を得たが自身に大した手腕はなく、その座に甘えて職権乱用。会社の金を適当に使い込み、妻を呆れさせ、社長である義父にはすべての権限と地位を剥奪され、遠方に左遷される。 「警察沙汰にしなかっただけでも有り難く思え」という義父の言葉を右から左へ聞き流し、その時社長室に流れた無人島調査の報道…