Xのアプリを勢いで消してしまった。 消してしまった、というか、ついに、消すことができた。 Xを開くと、いつも誰かが喋っているし、いつも何かが流れてる。顔も知らない誰かがふと呟いた言葉が自分の中に入ってくる。名前も知らない誰かがふと呟いた心配事が、世間の心配事のように大きく思える。そんなに影響される性格なら見なければいいだけなのに、自分に甘いわたしは、暇な時につい開いて時間を溶かしてしまっていた。 「もしかしたら、わたしは知らないままでもいいことを知っているだけなのか?」ふとそんな風に感じて「えいっ」と、思い切ってアプリを削除した。今まで閲覧時間を制限したり、iPhoneの一番端のページに追いや…