高知の夏の祭典「よさこい祭り」は、今では日本中で広く知られるところですが、そもそもの始まりは昭和29年、「市民祭」と「商店街の活性化」を兼ねてスタートしました。
お隣徳島には有名な「阿波踊り」があったので、何とかそれに負けない良いものをと、県内在住の作曲家・武政英策氏が作詞作曲、日本舞踊五流派のお師匠さん方が振り付けを担当。素手ではダメだと、高知の田んぼで雀追いの道具に使われていた鳴子を採用し、“ヨッチョレヨ、ヨッチョレヨ”の軽快なリズムの「正調よさこい鳴子踊り」が完成しました。
‥‥とはいえ、皆が同じ曲に合わせて同じように踊っていたのは最初だけ。「わが道を行く」高知県人の性格からか、正調をアレンジするチームが増え続け、現在のスタイルに発展してきました。そして、いまもなお「よさこい祭り」は、現在進行形でさらなる変化を続けているのです。
今では、どの参加チームも仮装行列のように見えてしまうほど派手で様々。しかし、地方車が鳴子を持った踊り子達を先導するスタイルだけは守られています。
後夜祭の前に行われる「全国大会」では、全国から集まったよさこい愛好家のチームが、出身地の味を前面に押し出した個性豊かな踊りで高知の町を彩ります。