太陽の棘 原田マハ著文春文庫 初出 別冊文藝春秋 2012年11月号~2014年1月号2014年4月単行本 図書館の文庫本の棚で、たまたま見つけたので借りてみた。本が、私を見つけてくれたタイプの出会い。裏表紙を見ると解説・佐藤優とある。これは面白い本に違いない、そう思って借りた。 良い本だった。電車の中で立ちながら読んでいて、 気がついたら涙が溢れていた。わっと泣いたのではなく、気が付いたらぐっと涙がわいて、こぼれていた。 原田さんの書く小説は好きだ。美術が関係する小説も多い。本書も画家が登場する。戦後の沖縄の物語。アメリカ陸軍基地に務めるアメリカ人と沖縄人との物語。そう、まだ沖縄がアメリカだ…