クラム・ラーマン『ロスト・アイデンティティ』ハーパーBOOKSを読了。 週に一度だけとはいえ、モスクに通っているムスリムでありながら、麻薬の売人でもあるロンドンの若者ジェイ。そんな彼にMI5が目をつける。イスラム過激派によるテロを未然に防ぐため、過激派の情報を得るための潜入捜査員とさせるために。 テロによる無差別殺人を嫌悪しながらも、ムスリムに対する差別、迫害にさらされたきたジェイは、相反する感情に悩まされながらも、過激派組織に潜入する。だが、そこで彼を待ち受けていたのは、予想もしていなかった過酷な運命であった……。 ムスリムを主人公とするミステリを読んだのは、おそらく本書が初めてだろう。まず…