学校行事の入場とかで使われる威風堂々と電話の保留音の愛の挨拶だけが有名なエルガー先生の、世間的にはマイナーな弦楽四重奏を最近よく聴いている。 この曲、2楽章がいいんですよ。なんか人生の後半っぽいなと思って。 静かで劇的な部分はないけど感傷的で美しい曲。エルガー先生は大英帝国の領地が最大のころの人だけど「この偉大な帝国は永遠に続くぞ、がっはっは」ではなく、「最盛期を超えた偉大なものが少しずつ失われていくのを愛しく思い続ける」みたいな感覚に近い気がする。 この曲にはエルガーの妻とのエピソードが残っている。 この曲が完成したのは1919年。エルガーの妻アリスは美しいこの曲をとても気に入ってくれた。し…