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オレンジ・カウンティ

(一般)
おれんじかうんてぃ

カリフォルニア州オレンジ郡(County of Orange)
ロサンジェルスの南に位置し、ディズニーランドで有名なアナハイムのある、全米でも豊かな地域。ニクソン元大統領の地元でもある。警察・司法、社会福祉、河川管理、道路管理等広範な広域行政機能を持つ。1994年12月にデリバティブ取引で15億ドルの評価損を出して倒産したことで有名。

破綻の経緯

レーガン政権下で連邦政府は財政赤字をふくらませたため、地方政府への支援が引き下げられていったことが大きな要因となり、当時郡の財務状況は慢性的に悪化していた。郡内の有権者によって選挙で選ばれたロバート・シトロン収入役は1972年以来資金の運用を行っていたが、硬直化した財政下で公共サービスを維持するために仕組み債によるハイリスク運用に踏み切った。1993年までは運用は好調であり、郡の財政は運用収益への依存度を高める一方、周辺の小さな公共団体から資金を集めて運用するようになった。群が運用する投資ファンドはオレンジ郡投資プール(Orange County Investment Pool)とよばれ、1994年には郡と244の地域公共団体から合わせて74億ドルを集めた。しかし、郡関係者も出資者もシトロンの投資戦略を理解できなかったし、選挙で選ばれた収入役を監督する立場の人間もいなかった。なお、94年6月の収入役選挙では、対抗馬の候補者はシトロンの戦略の抱えるリスクを的確に指摘したが、落選している。
シトロンの戦略はファンドの資金で投資した債券を担保に借金をしてインバースフローター*1などの仕組み債を購入するというものだった。その戦略は低金利が継続する間は高収益をもたらしたが、1994年2月以降の金利急上昇によって15億ドルの評価損を抱えるに至り、オレンジ郡は破産申し立てを行った。

再建

翌95年10月カリフォルニア州議会は税収を再建ファンドと別勘定とする法案を成立させ、96年6月には債務弁済のための債券を発行、倒産状況は解消した。また、倒産にかかわったメリルリンチなど33法人を相手に損害賠償訴訟をおこし、和解金など合わせて8.6億ドルを回復した。
地域経済の好調から、99年以降格付けも回復している。

*1:予め決められた固定金利と短期金利の差をクーポンとして受け取る。短期金利が低下すれば収入が増え、逆に上昇すれば収入が減る

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