20年間同じ街に住んでいると、足繁く通うようになったレストランの経営者が変わって味もガラリと変わり、一喜一憂させられる場面も多い。森鴎外の『獨逸日記』にも登場するドレスデンのWaldschlösschenというブラウハウスが良い例である。一時は足繁く通ったものだが、経営者が幾度も代わり、コロナ禍前後には長期間閉鎖の憂き目に遭い、再オープンした後は料理は質が落ち、量も減ったのに値段は高くなって、足が遠のいてしまった。最後の改装では内装もすっかりモダンになってしまい、鴎外が訪れた時代の痕跡はもはや微塵もない。 これは筆者の独断と偏見になるが、ドレスデンに限って言えば、ビール会社直営のレストランは残…