ケアするのは誰か?: 新しい民主主義のかたちへ作者:ジョアン・C・トロント,岡野 八代白澤社Amazon 第1章がトロントの講演録の翻訳、第2章と第3章は岡野の解題という構成。第2章ではトロントの思想の歩みをたどり、第3章ではトロントの提言の具体化を論じている。 ざっくりいうと、誰もが関わる(それがゆえに低い地位におかれている)ケアという実践を、価値ある行動と位置づけ、その責任の配分を民主的に議論していくことが新しい民主主義につながるという主張。 ケア実践の価値を認めることの重要性は否定しようもないけれど、その範囲の設定や、実践の内容によって、また新たな序列が生まれてくるのでは、という疑問も抱…