ヨーゼフ・ゲッベルス(正式には、パウル・ヨーゼフ・ゲッベルス Paul Joseph Goebbels)
1897年10月29日生まれ、1945年5月1日没。ドイツの政治家。国家社会主義ドイツ労働者党第3代宣伝全国指導者、初代国民啓蒙・宣伝大臣。ナチス宣伝相。敗戦の直前、ヒトラーの遺書によってドイツ国首相に任命されるが、直後に自殺。
スピーチや、映画・ラジオなどのメディアを駆使し、ドイツ国民の煽動に成功した。現在のCMでも用いられている、『メッセージ開始後3秒間にジングル音などで人の気をひきつけ、その後本題を流す』という技法はゲッベルスが開発したという。
人物像
ゲッベルスは、4歳の時に右下腿部に小児麻痺を患い、手術をする。そのため、発育は著しく遅れ、左右で足の長さが異なり、歩行がやや不自由な身体障害者となった。このことは、成人してからも身長が150cm程度しかなかったこととともに、決定的なコンプレックスとなり、人格形成に大きな影響を与えた。部屋に閉じこもって読書をすることが多かったことから、学校の成績は常に優秀であったという。
功罪
- ラジオをドイツ国民に普及させたこと
- 「19世紀は新聞であったが、20世紀はラジオである」と公言。ゲッベルスは民を扇動するうえでラジオは欠かせないことをよく理解しており、ラジオのフル生産を指示し、外国放送は聞けない「国民ラジオ」を全国28の工場で大量生産させ、安価な76マルクで購入できるようにした。
- 文化面からのユダヤ人の排除
- ドイツのあらゆる精神的創造者はゲッベルス宣伝相による監視と検閲を受けた。
- 映画会社最大手ウーファをナチ党で買収し、事実上ゲッベルスが所管。
- モダンアートなど、前衛的な芸術の排除
- ナチ党政権が「退廃芸術」として批判していたモダンアートや表現主義、抽象絵画の作品を集めさせ、シャガール、クレー、キルヒナー、ノルデ、ゴッホ、ピカソ、ブラック、セザンヌなどの絵が見せしめとして晒された。
- 国民の戦意を鼓舞する演説
- 空襲にあった都市の被災者の慰問に頻繁に訪れて励まし、演説さえほとんどしなくなったヒトラーに代わって励まし続けた。
- 一見模範的なドイツ家庭を作り上げてそれを宣伝した
- 上から長女ヘルガ(1932年生)、二女ヒルデ(1934年生)、長男ヘルムート(1935年生)、三女ホルデ(1937年生)、四女ヘッダ(1938年生)、五女ハイデ(1940年生)をもうけた。