Fritz Lang
主にドイツ、アメリカで活動した映画監督。
1890年12月5日、ウィーン生まれ。本名フリードリヒ・アントン・クリスティアン・ラング。父アントン・ラングは建築士。
1909年、ウィーン工科大学に進学するが進路を変え、ウィーンを離れ、各地の画廊や美術館を見て回る。
1911年から1912年にかけて世界各地を旅行。1913年、パリに住み、生活のため風刺画や絵葉書の絵を描く。
第一次大戦が始まると敵性外国人となったためウィーンに戻り、オーストリア=ハンガリー帝国軍の志願兵として兵役につく。その間、映画の脚本を書き始め、いくつかは製作者・監督ジョー・マイにより映画化される。
1919年、脚本審査者として、ベルリンに移住。何本もの脚本が映画化され、自身も監督作『混血』Halbbut(1919)、『蜘蛛』2部作(1919-20)、『ハラキリ』(1919)をデクラ社で撮る。
デクラ社は1920年、ビオスコープ社と合併、さらに1921年、『死滅の谷』公開後、デクラ=ビオスコープ社はドイツ最大の映画会社ウーファの一部門となり、エーリヒ・ポマーが製作主任となる。
最初の夫人リザ・ローゼンタール(おそらく偽名)の自殺後、1922年、脚本家テア・フォン・ハルブー(1888−1954)と結婚。
以後、『ドクトル・マブゼ』2部作(1922)、『ニーベルンゲン』2部作(1924)といった大作を監督。
1925年から26年にかけ、SF超大作『メトロポリス』(1927)を製作。
自身のプロダクションでスパイ映画『スピオーネ』(1928)を製作・監督。
トーキー初期、ネロ・フィルムで、連続猟奇殺人犯を扱った『M』(1931)、『怪人マブゼ博士』(1933)を撮るが、後者は政権をとったナチスの検閲を受け、ドイツ国内で上映禁止になった。
ナチス支持者であったハルブーと離婚、1934年にフランスへ亡命しエーリヒ・ポマー製作の『リリオム』(1934)を監督した後、MGMと契約し渡米。MGMで『激怒』(1936)を監督。
その後、 『暗黒街の弾痕』(1937)、初の西部劇『地獄への逆襲』(1940)と『西部魂』(1941)のほか、第二次大戦期には、『マン・ハント』(1941)、『死刑執行人もまた死す』(1943)、『恐怖省』(1944)、『外套と短剣』(1946)といった反ナチ映画を撮っている。
さらにフィルム・ノワールの古典、『飾窓の女』(1944)、『スカーレット・ストリート』(1945)、『扉の影の秘密』(1948)、『復讐は俺に任せろ』(1953)などを監督。
長らく見ることのむずかしかった異色サスペンス『ハウス・バイ・ザ・リヴァー』(1950)はDVD化により再発見されつつある。
1956年、亡命後初めて西ドイツを訪れ、その後、『大いなる神秘』(1959)と『怪人マブゼ博士』(1960)を撮ったが、視力が低下し、これが最後の作品となった。
1963年に、ジャン=リュック・ゴダールの監督作品『軽蔑』に自身の役で特別出演している。
1976年8月2日、ベヴァリー・ヒルズにて死去。
『混血』Halbbut(1919)(現存せず)
『愛の主人』Der Herr der Liebe(1919)(現存せず)
『蜘蛛/第一部:黄金の湖』(『黄金の湖』)(1919)
『ハラキリ』(1919)
『蜘蛛/第二部:ダイヤの船』(1920)
『さまよえる彫像』Das Wandernde Bild(1920)
『戦う心』Kampfende Herzen(1920)
『死滅の谷』(『死神の谷』)(1920)
『ドクトル・マブゼ/第1部 大賭博師:時代の鏡像』(1922)
『ドクトル・マブゼ/第2部 地獄:我らの時代の人間劇』(1922)
『ニーベルンゲン/ジークフリード』(1924)
『ニーベルンゲン/クリームヒルトの復讐』(1924)
『メトロポリス』(1927)
『スピオーネ』(1928)
『月世界の女』(1929)
『リリオム』(1934)
『激怒』(1936)
『暗黒街の弾痕』(1937)
『真人間』(1938)
『地獄への逆襲』(1940)
『西部魂』(1941)
『マン・ハント』(1941)
『死刑執行人もまた死す』(1943)
『恐怖省』(1944)
『飾窓の女』(1944)
『スカーレット・ストリート』(1945)
『外套と短剣』(1946)
『扉の影の秘密』(『扉の蔭の秘密』)(1948)
『ハウス・バイ・ザ・リヴァー』(1950)
『アメリカン・ゲリラ・イン・フィリピン』(1950)
『無頼の谷』(1952)
『熱い夜の疼き』(1952)、
『ブルー・ガーディニア』(『青いガーディニア』)(1953)
『復讐は俺に任せろ』(1953)
『仕組まれた罠』(1954)
『ムーンフリート』(1955)
『口紅殺人事件』(1956)
『条理ある疑いの彼方に』(1956)
『大いなる神秘/王城の掟』(1959)
『大いなる神秘/情炎の砂漠』(1959)
『怪人マブゼ博士』(1960)
フリッツ・ラング コレクション/クリティカル・エディション ドクトル・マブゼ [DVD]
ニーベルンゲン (フリッツ・ラング コレクション/クリティカル・エディション) [DVD]
スピオーネ (フリッツ・ラング コレクション/クリティカル・エディション) [DVD]
フリッツ・ラング コレクション 月世界の女 クリティカル・エディション [DVD]
フリッツ・ラング コレクション 怪人マブゼ博士(マブゼ博士の遺書) [DVD]
フリッツ・ラング コレクション スカーレット・ストリート [DVD]
フリッツ・ラング コレクション ハウス・バイ・ザ・リヴァー [DVD]
フリッツ・ラング コレクション ブルー・ガーディニア [DVD]
COLUMBIA TRISTAR FILM NOIR COLLECTION VOL.2 [DVD]