四月の上旬のとある朝、六時過ぎ。日が昇り30分。さっきまで自家用車の中で聴いていたラジオではサイモンとガーファンクルの「四月になれば彼女は」が流れた。四月にやってきた彼女は八月には死んでしまい、九月に僕は彼女を思い出す・・・。昔からこの歌詞の意味がよくわからなかった。とても短い恋のことを歌っているのだろうか、と漠然と思っていた。ネットの時代だからちゃちゃっと調べると(そこに書かれていることが本当かどうかはわからないものの)アメリカでは8月で学年の終業の月なので別れの月だ、とか、この歌詞の下地には別の詩人の夏鳥(春に渡ってきて、夏を越して、北へ帰って行く)の詩がある、という解説が見つかった。四月…