抗うつ薬。SSRI、SNRI、TCA(3環系・4環系)、MAOIのいずれにも属さない特殊なタイプの抗うつ薬。<レスリン><デジレル><アンデプレ>などの商品名で発売されている。国内ではうつ病・うつ状態に対する適応が認められているが、パニック障害や強迫性障害の治療薬として有効とする報告もある。また、他の抗うつ薬と比べて鎮静作用が強いため、睡眠障害、とりわけルボックス・デプロメールの副作用(不眠)を改善するために処方されることもある。
化学的には前述のようにどの抗うつ薬とも構造上の関連性がない。薬理学的には主に(1)弱い5−HT再取り込み阻害(2)5−HT2A受容体への拮抗(3)α1アドレナリン受容体への拮抗・阻害の3つの作用を示す。(1)(2)はうつ病・うつ状態の改善に効果的であるが、(3)は副作用の原因となる。