Dreamcacher(2001)
幼馴染みの4人の男たちが、雪山の小屋で休暇を取っていた。それは楽しい恒例行事となる筈だったが、山で見つけた1人の男を助け出した為に、恐怖と怪異に襲われることとなる。
交通事故で瀕死の重傷を負って以来のキング久々の長編は、文庫本全4冊という超大作。少年時代と大人時代を交錯させる手法は『IT』同様。
しかしこの作品には、事故後とは思えぬなりふり構わぬパワーがある。お下劣なまでの凄惨なブラックユーモア、怪異を露骨に描く手法など、キングらしいB級パワーが炸裂しているのだ。
後半に至っての追撃戦など迫力満点で盛り上がるし、繊細で的確な人物描写も健在。
新鮮味こそないが、元気いっぱいのキング節に好き嫌いは分かれよう。が、これもスティーブン・キングらしいSFホラーと言える。
白石朗の翻訳はいつも通りに読み易い。キング作品お馴染み藤田新策による装丁は、4冊横に並べると1枚の絵になる懲りよう。
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幼馴染の4人の男たちが、雪の山小屋で休暇を過ごしに来た。楽しい恒例行事の筈が、瀕死の男を救い出した為に恐怖の体験をすることになる。
スティーブン・キングウのベストセラーを映画化したものの、キングの映画化作品の常である失敗作との評価が定まりつつある作品。パワフルで下品なB級テイスト溢れる原作も、じっくりした人物描写が持ち味のローレンス・カスダンでは畑違いだったか、かったるいテンポとなってしまい、後半の追撃戦で盛り上がる筈が尻すぼみとなってしまった。名手ウィリアム・ゴールドマンの脚本は概ね原作通りだが、クライマックスに至って突如原作以上にB級テイストのすっとこどっこいな展開になってしまい、原作読者はある意味裏切られることとなる。久々に悪役に扮したモーガン・フリーマンも、狂気を感じさせぬゆえにミスキャスト。
但し、こういったB級SFホラー映画が好きな人には、楽しめる得る作品である。