恒例化してきた年越し行事だ。大晦日をその日としてきたが、今年は一日早める。 この一年、わが主食たる粥飯を炊いてくれたのは、より古参の絵付き琺瑯鍋(左)だった。年越しを機に、より新参の無地琺瑯鍋(右)に役目を譲り、一年間の休息に入る。「無地」は一年ぶりに現場復帰となる。 古参新参と申しても、母の時代からの継続役職だから、いずれも三十年以上の実績を誇る。母は両鍋を同時併行的に使いまわしていたが、私の代になって、式年鍋換え方式となった。ただし、湯豆腐だの野菜水炊きだの、つねの私にない鍋使用の都合が発生した場合には、予備役中の鍋が臨時出動することもありうる。 注連縄が整えられ、塩・昆布・大豆が供えられ…