普段、私たちは何気なく話しています。友人との雑談、家族との会話。言葉がスラスラと出てくる。でも、それを「書いて」と言われると途端に手が止まるのはなぜでしょう? 話し言葉と書き言葉には、大きな違いがあります。話し言葉は、相手の表情や声のトーン、リアクションといった「空気」を含んでいます。だから多少、言葉が抜けていても相手に伝わります。一方で、書き言葉は相手がその場にいません。紙の上の言葉だけが、あなたの代わりに相手と向き合うのです。 また、話すときと書くときでは、脳の使い方が異なります。話すとき、私たちは主に「ブローカ野」と呼ばれる脳の領域を使います。これは、言葉を素早く組み立てて発するための役…