鰻。むかしは見向きもしなかったが、年を重ねると同時に、「食べておいたら夏を乗り越えられるはず」という暗示のために便乗している。昨年から、近くにある仕出し屋さんに予約をしておいて、当日取りに行くというスタイルにした。注文したのは鰻丼。お昼前、仕出し屋さんで鰻を受け取り、暑さにも負けず、自転車のカゴに鰻丼を乗せて帰る。私の頭も鰻に占領されている。テーブルに並べた途端、皆の目が光った。うなぎは美味しかったし、予約し、取りに行き、持ち帰り、食すまでのプロセスは楽しくて、そのプロセスも含めて美味しいのだろうと思った。プロセスを楽しむ。はたして自分はできているだろうか。たとえば料理は、プロセスのオンパレー…