Vincenzo Bellini
イタリアの作曲家、ヴィンチェンツォ・ベッリーニ(1801-35)の姓。 数多くの美しいオペラや歌曲を残した。ドニゼッティと並んで、ベルカント・オペラの代表格といわれる。 代表作に「ノルマ」「清教徒」「夢遊病の女」等がある。 ドラマティックで美しい優雅な旋律を歌う表現力と正確なカデンツァの技術を要求される、歌手泣かせの難しい曲が多い。 モーツァルト、ドニゼッティと並んで、声楽をやる者(特にレッジェーロ、コロラトゥーラ系)が避けて通れない作曲家である。
Operas
Bellini:Norma/I Puritani
www.youtube.com 好きな旋律。第一幕第四場より「あゝ言葉を見つけられたなら (Ah! Vorrei trovar parole!)」。公証人の前で婚姻届書に署名を了へたエルヴィーノとアミーナが、明日に結婚式を控へ、歓びに満ちて歌ふ。 薄陰、涼し。新国立劇場にて、珍らしい事にベッリーニが演奏された。本日の装ひは、トラバルド・トーニャのベージュ無地のセットアップスーツと、マグナーニのグレーの革靴とを合はせた。伊太利だなあ。 行きつけの仏蘭西料理店で食事をし、テラスに新しく置かれた紫の花の鉢植え(その花の名を私達は互ひに知らなかつた)の事などをマダムと話し、さうしてゐる内に時間が無くな…
WOWOW放送 2017年10月7日ライブ(2018年12月22日放送) 歌劇『ノルマ』ベッリーニ作曲 約200分(幕間解説等含む) ■出演:ノルマ:ソンドラ・ラドヴァノフスキーアダルジーザ:ジョイス・ディドナートポッリオーネ:ジョセフ・カレーヤオロヴェーゾ:マシュー・ローズ■管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団■指 揮:カルロ・リッツィ■収録:2017年10月7日 メトロポリタン歌劇場 演出:デイヴィッド・マクヴィカー ノルマというとマリア・カラスのイメージだがほとんどカラスを聴いたことがない自分には、今回がノルマの初視聴。 「清らかな女神よ」が有名だが意外と重唱や合唱も多く聴きどころが…
リチーは唇を突き出した。 第17投。224ページ、632行。 Richie cocked his lips apout. A low incipient note sweet banshee murmured: all. A thrush. A throstle. His breath, birdsweet, good teeth he’s proud of, fluted with plaintive woe. Is lost. Rich sound. Two notes in one there. Blackbird I heard in the hawthorn valley. リチーは…
シャリーノ作曲《ローエングリン》+《⽡礫のある⾵景》初日を観た(聴い)た(10月5日 土曜 17:00/神奈川県民ホール 大ホール)。簡単にメモする。 《⽡礫のある⾵景》(2022年)[⽇本初演]初演:2022 年11 月3 日 ヴィリニュス(リトアニア) 《ローエングリン》(1982-84年)[⽇本初演]⽇本語訳上演*⼀部原語上演:原作:ジュール・ラフォルグ/音楽・台本:サルヴァトーレ・シャリーノ/初演:1984年9⽉15⽇カタンツァーロ(イタリア)(初版初演:ミラノ1983年1⽉15⽇)/修辞:大崎 清夏/演出・美術:吉開 菜央・山崎 阿弥 指揮:杉山洋一/エルザ役:橋本 愛/演奏(○=「…
名画の中の人物の口からは、何か血か肉のような物が飛び出している。 人間の血と肉かもしれない。 名画の人物は古代の巨人族であり、小さな人間を食用の家畜としていた証拠ではないか。 ドミニク・アングル 「奴隷のいるオダリスク」1839~1840年 ハーバード美術館 横たわる婦人ではなく、楽器を演奏する奴隷の口を拡大して見る。すると口から肉片のような、蛇の舌のような物が垂れ下がっているのが見える。絵の損傷では無さそうだ。 ポール・ゴーギャン 「イア・オラナ・マリア(我マリアを拝する)」1891年 メトロポリン美術館 女性が担いでいる子供の口から何が出ているのだろう? 血? 生贄となる子供は既に痛めつけ…
2024年11月24日(日)14:00公演 日生劇場 藤原歌劇団創立 90周年記念公演 NISSAY OPERA 2024 ガエダーノ・ドニゼッティ作曲 ピーア・デ・トロメイ お世話になっております。 三島でございます。 この日は藤原歌劇団の公演を見に日比谷へ行きました。 2月の『ファウスト』(グノー作曲)ぶりの藤原歌劇団です。 日生劇場は好きな劇場の一つです。規模が大きすぎず小さすぎないので。有楽町方面にあるものいいよね。新国立劇場も引っ越してくれいいのに。席の前後間隔狭すぎて笑うけれど。東京宝塚劇場並みに狭い。 前置きは特にないので感想いってみよー。 (以下敬称略) 舞台の謎 ニュープロダ…
2024年11月12日(火)19:00公演 アーティストファイルかわにし 川西市キセラホール 中村恵理ソプラノ・リサイタル お世話になっております。 三島でございます。 この日は東京公演に引き続き本物のオペラ歌手である中村恵理さんのコンサートへ行って参りました。兵庫県初上陸な私。 https://www.kawanishi-bunka-sports.com/bunka/kouen/1/1737.html 兵庫県の証↓ 京都→奈良→大阪→兵庫の順で移動したのですが京都駅の清水寺方面のバスの列に驚き、奈良市内の外国語しか聞こえてこないことにまた驚き、大阪では阪急と阪神を間違えてしまいました。アホで…
お題「相棒にしたいポケモン」 なんかおれ向きのお題を見つけたので露出を増やすためにもこたえていくことにするよ。 相棒にしたいポケモン。一般的に考えればピカチュウやデデンネみたいな電気ネズミとか、ルカリオやイーブイみたいな人気ポケモン、もしくはフーディンでテレポートしたりサーナイトで疑似恋愛を楽しんだり、チルタリスに乗って空を飛ぶのも面白いかもしれない。あるいは初代最強ポケモンミュウツーとかで世界を破壊するのも楽しいものだ。世の中には気に食わないものがいっぱいなのだから。 もし私がフリーザ様だったら隣町をきれいな花火にしているところだが、もし相棒がミュウツーだったらサイコキネシスで歪んだ磁場に隣…
選挙をして世の中が良くなるのだろうか。金に汚い政治家ばかりがはびこっていて、奴らはどうも隠れて不正な選挙をしているかもしれない。 投票に行ってきたが、比例選挙の政党名略称に「民主党」と言うのが二か所に書いてある。「立憲民主党」だか「国民民主党」だかが区別できない。「自由民主党」と捉える事も出来る。「民主党」と書いてある票はどこに割り当てられるのか。与党に都合よく捉えれば「自民党」の議席数が伸びるように仕組まれているのか。 政治家たちはより大きな権力によって操られているように思える。LGBT法案やインバウンド政策による移民の増加・環境問題・景気の悪化を指示されて世界がより不景気に、より悪くなるよ…
*サルヴァトーレ・シャリーノ『ローエングリン』(10/5 神奈川県民ホール 大ホール) 原作:ラフォルグ、台本:シャリーノ、修辞:大崎清夏、演出・美術:吉開菜央、山崎阿弥、振付:柿崎麻莉子、衣裳:幾左田千佳、照明:髙田政義、音響:菊地徹。指揮者は杉山洋一。吉開の明晰な演出、山崎の発声演出、柿崎の身体指導が、橋本愛の体に収斂。シャリーノは、巫女のエルザを精神病患者に移行させ、白鳥の騎士を妄想する女性(少女?)のモノローグを作った。橋本の台詞の真実味は言うまでもなく、様々な発声の音楽性、エネルギーの方向性、意味するところが、隈なく実現されている。初演も女優だったのだろうか。橋本の憑依する体、狂気に…
10/9(水)新国立劇場オペラパレスにて、バルバラ・リュック演出、マウリツィオ・ベニーニ指揮、ヴィンチェンツォ・ベッリーニ作曲の『夢遊病の女』を観劇。原作は、バレエ・パントマイム(パントミム)の『夢遊病の女』で、「幅広い音域に加え、ドラマティックな表現ができる」ソプラノ歌手ジュディッタ・パスタ、相手役が当時「圧倒的な人気を誇っていた」テノール歌手ジョヴァンニ・バッティスタ・ルビーニ、1833年の初演の舞台、歌手たちも聴衆たちも涙して、成功を収めた。 今回、アミーナ役のソプラノが、この7月にシュトゥットガルト州立歌劇場でこの役デビューし大成功を収めた(声も姿も美しい)クラウディア・ムスキオ、相手…
先日、新国立劇場で上演されたオペラ「夢遊病の女」を観に行ってきました。 この舞台はとても素晴らしく、ほかの観客も同じように感じたようで、アリアごとの拍手や最後のカーテンコールは大変な盛り上がりでした。 初めて聴いた「夢遊病の女」 アミーナ役の若手歌手、クラウディア・ムスキオ バルバラ・リュックの演出の独自性 公演情報 初めて聴いた「夢遊病の女」 ベリーニ作曲の「夢遊病の女」は、ぽん太にとって初めての鑑賞体験でした。この作品はベルカント・オペラの代表作のひとつとして知られています。ベルカントといえば、コロラトゥーラやアジリタなど、細かく素早い装飾的な歌唱テクニックが特徴です。例えるなら、日本の演…
2024年10月12日 新国立劇場ベッリーニ 夢遊病の女指揮 マウリツィオ・ベニーニ演出 バルバラ・リュック管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団アントニーノ・シラグーザ(エルヴィーノ)、クラウディア・ムスキオ(アミーナ)、妻屋秀和(ロドルフォ)、谷口睦美(テレーザ)、伊藤晴(リーザ)、近藤圭(アレッシオ) 他 新国立劇場は、主催公演として今回初めてベッリーニのオペラを上演した。(※共催という形で、これまでに「清教徒」「ノルマ」を上演したことがある。)ベルカント・オペラの華であるベッリーニに対し、随分とまあ寂しい取扱いだと思うが、同劇場の超オーソドックス路線の中で、わずかでもこれまで光を当てられ…
【日時】2024.10.9.(水)14:00〜(三日目) 【会場】NNTTオペラパレス 【演目】ベルリーニ作曲オペラ『夢遊病の女』 La Sonnambula / Vincenzo Bellini【公演期間】2024年10月3日[木]~10月14日[月・祝] 【公演日程】2024年10月 3日(木)18:30 2024年10月 6日(日)14:00 2024年10月 9日(水)14:00 2024年10月12日(土)14:00 2024年10月14日(月・祝)13:00 【上演時間】約3時間(第1幕85分 休憩30分 第2幕65分) 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団 【指 揮】マウリツィ…
2024年10月3日(金)18:30公演 新国立劇場オペラパレス ヴィンチェンツォ・ベッリーニ作曲 夢遊病の女 お世話になっております。 三島でございます。 新国立劇場新シーズン開幕おめでとうございます。 今年も夢と希望と笑いと絶望をお届けしてください。 新シーズンのラインアップについて別投稿をしようと思ってますが対して書くことがないので困っている。まあいいや。 シーズン開幕演目はベルカントオペラの『夢遊病の女』です。開幕にベルカントオペラなんてさぞベルカント商法の方が喜んでいるでしょう。何よりです。 www.nntt.jac.go.jp それでは感想いってみよー。 (以下基本的に敬称略) ま…
オペラ 夢遊病の女新国立劇場 【作曲】ヴィンチェンツォ・ベッリーニ【指揮】マウリツィオ・ベニーニ【演出】バルバラ・リュック 知り合いがゲネプロに誘ってくださったので、観てきた。本講演は、10月3〜14日。 2階のR席。中央よりの1番の席だった。 チラシには、”不実を疑われた1人の花嫁。潔白の鍵を握るのは夢遊病。充実の歌手陣で贈るベッリーニの傑作” ベルカント・オペラを代表する作曲家ベッリーニの傑作を新国立劇場初公演。村の結婚をめぐる物語を叙情的な音楽が彩ります。新国立劇場が誇る合唱団の魅力があますところなく活かされるのも聴きどころ一つ。。。。” とある。 ベルカント・オペラとは、オペラ歌唱法の…
劇場文化ではないが、三十年ほど前のこと、田中一村(1908–1977)という日本画家について美術史家の友人から教えられ、鮮やかで湿り気のない絵肌に魅せられた[その後見ると絵肌に「湿り気」が感じられた。記憶のなかでドライな印象に変わっていたのか]。その後『アダンの画帖——田中一村伝』(中野惇夫・南日本新聞社編 1995)等を読み、30歳から生活した千葉を離れ姉とも別れて奄美大島に居を移さざるを得なかった〝不遇の〟生涯に強く印象づけられた。以来、時折画集や「黒潮の画譜・十二景」(額装版)を眺めたり、一村ゆかりの千葉で企画展があれば足を運んだりもした。ただ、奄美を描いた一連の代表作は出品されず、直接…