マルセル・プルースト(1871-1922) フランスの作家。二十世紀を代表する文学者の一人。 主著である大作『失われた時を求めて』は生前に4巻まで刊行された。死後、残された未定稿を遺族が整理して、5年後に全7巻で完結したものの、作者による修正作業は5巻の半ばまでしか行われていないため完成とはいいがたい。
自治会の作業の終わりがようやく見えてきたので、アルバイトの通勤時間や休憩時間を使ってプルースト『失われた時を求めて』~第五編「囚われの女」(集英社文庫、鈴木道彦氏訳、2007年)を読んだ。 芸術への疑問が記された「囚われの女」 『失われた時を求めて』の邦訳では、翻訳者による訳文の違いがよく話題になるが、この第五編からはプルースト没後の刊行で、プルースト自身が最終的な推敲を行っていないのでテクストに曖昧な部分がある。このためどういうテクストを採用するかも翻訳者の判断にゆだねられ、誰の翻訳がいいのか、訳文だけでは一概には決定できない。結局、自分が選んだ翻訳者を信頼して読むしかない。 さて「囚われの…
1. 恋人アルベルチーヌは突然マルセルと別れ、その出奔後に落馬事故に遭い、死亡する。主人公マルセルは絶望にかられるが、アルベルチーヌの真の姿を知ろうとして、彼女が生前に見せたさまざまな面を思い出しては、真実の追求を様々な角度から続ける。しかし、彼女の同性愛疑惑についても、確証は得られない。 やがて、忘却の時期が始まり、それは三つの段階にわたって詳述される。確かに、アルベルチーヌは少しずつ消えてゆく。しかし特徴的な点は、習得を重ねつつ「書く」という実践へと向かういわば肯定的なプロセスも同時に描かれていることだ。アルベルチーヌの失踪、そして忘却へ向かう動きとは反対に、次篇『見出された時』掉尾でマル…
嗅ぎ回るって、警察のまわしものでも、怪しいものでもありません。 一昨日の続きで脳の活性化。 五感、特に嗅覚を使うことが大事なのだそうです。 五感って何? 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚ですね。温度認識、空間認識や平衡感覚も加えようと言う人もいます。あと第6感ともいわれる霊感もですかね。 現代人はほとんどの情報を視覚から得ています。そしてそれ以外の五感は、かなりおろそかになっています。原始時代は五感を研ぎ澄まさないと生きて行けなかったのに、いまでは視覚偏重、スマホなんかが普及してなおさらですね。味覚だって生存のためなく娯楽のため、触覚もそうですよね。 このうち、嗅覚は生命を維持するための安全機能の…
『失われた時を求めて』第二篇『花咲く乙女たちのかげに』の前半「第一部」は、第一篇『スワン家のほうへ』の続きであり、そこではスワンの結婚生活や、主人公とジルベルトとの恋が描かれ、古典演劇『フェードル』の観劇がそれに続く。 後半の「第二部」「土地の名―土地」では、ノルマンディー海岸とおぼしいリゾート地バルベックでの生活が描かれる。 こうして話が多面的に展開されるので、従来の『花咲く乙女たちのかげに』の要約や梗概には、数多いテーマの羅列や場面ごとの注釈に終始するものが少なくない。核心となる構成なり、文学上の狙いを広い視野に立って深掘りする試みはあまり行われていない。 本稿では、『花咲く乙女たちのかげ…
毎日書くほどの出来事がある訳ではないのだが、本を読んだりしている。トルストイ『戦争と平和』の二回目である。一回目よりも面白いのは、細かいか所に目が向くからだろうか? 読むことで何が得られるかと聞かれると、それは何もない。しかし頭の中が整理整頓される様な感覚がある。それは心地よいものである。 『戦争と平和』と同時にプルーストの『失われた時を求めて』も読んでいる。小説としてはかなり趣が違う二作品である。『戦争と平和』は大きな物語であるが『失われた時を求めて』は小さな物語を細かく描写するという感じ。 この二作品を並行して読むのは、中々に興味深い体験である。
8. ピーテル・ブリューゲル 世界で制作された名画のアニメーションを紹介し、手短な解説を足してゆきます。 名画に隠されていた面が見えてくるかもしれません。 時代をさかのぼりつつ、毎月配信する予定です。 なお、拙書『受容から創造へ 文学・芸術に導かれて』 作品社 においても、ゴッホのアニメ化された名画『星月夜』が動きだします。 ピーテル・ブリューゲル Life in the snow Wikipediaより www.youtube.com Youtubeのチャンネル Eagle Eye Videography より、"Motion Graphics Animation - Life in the…
お久しぶりです Z世代の代表RYANAです。 もう年が終わり年も暮れようという時期 いろいろなことがあった2024年ですが、読書界隈で最も話題になった著作がこちら なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) 作者:三宅香帆 集英社 Amazon 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 私も働いているのでこの本を読めていないのですが、SNS上の皆様方の「たしかに働いては本も読めない」という共感の声を多数目にしましたし、きっかり読めなくなったという声も結構見かけました。 私も最近は週6出勤9-21時(土曜隔週といったな、あれは嘘だ!)で働いていますし、ゴリゴリの営業会社で朝出勤しますと…
本日はクリスマスイブでありますが、食事はいつもと同じで和風であります。 ここの港にあがったサバを煮付けたものと、煮物、そして汁物というもので、 なかなかヘルシーなことです。 本日から作り置きしてあったシュトレンを切り分けていただくことになりで す。おすそ分けした友人によりますと、東京(と軽井沢)にある某店で購入し たシュトレンよりも、断然美味しいとの返しがありまして、気分を良くすること にですが、まあ来年も期待ということと受け止めることにです。 我が家のシュトレン なかなか美味です 平成の時代には、23日は祝日でありましたので、その日にケーキを作って いたのですが、今年はお餅を作っていたことも…
朝起きて、新聞をとりに行ったとき、屋根の上に雪が積もっているのを 見ることにです。あらま、昨晩にやすんだ時には、気配も感じなかったのに。 これはいけないで、すぐに支度をして(暖かい服装に、腰にベルトは必須) から長靴をはいて外にでることに。両隣のお宅は朝4時ころには除雪作業を していたようで、すっかりきれいになって、我が家の前のところもすこしやって くれていました。ありがたし、こういうのはお年寄りほど熱心でありまして、こ の三軒では、当方が一番の若手であります。町内も高齢化が著しいことで。 除雪を終えて、食事を済ませ、午前にはすこしトレーニングへと行くことに です。除雪をするためには、力が必要…
7. ヨハネス・フェルメール 世界で制作された名画のアニメーションを紹介し、手短な解説を足してゆきます。 名画に隠されていた面が見えてくるかもしれません。 時代をさかのぼりつつ、毎月配信する予定です。 なお、拙書『受容から創造へ 文学・芸術に導かれて』 作品社 においても、ゴッホのアニメ化された名画『星月夜』が動きだします。 ヨハネス・フェルメール "真珠の耳飾りの少女" Wikipediaよりwww.youtube.com youtubeのチャンネルAI-Landより ”AI-animated Johannes Vermeer's arts” 「AIアニメーションによるヨハネス・フェルメール…