夏の公開ラインナップに興味が湧かない。ひと月以上映画館に行かなかったのは初めてではないかと思い、無理に見に行った。A24だったらひどい目には合わないだろうと。普通と言っていいであろう人が、劣等感やミッドライフ・クライシスとちょっとしたきっかけが合わさって、狂気への境界をやや踏み越える、という好きなタイプの物語だった。踏み越えるのが「やや」なのが重要。狂気が私の理解できる範囲、つまり、自分は絶対やらないけど、そっちに走る心情は想像できるさじ加減だということ。 下水道トリップも、ヒキガエルトリップも、ガードレールの置き方が私好み。 薄味のアリ・アスター。今年、本作の他にも、The Friendとか…