犬は走り回って調子に乗ってくると、おそらく自制心を失っているのだろう、興奮度合いがどんどん上がってくる。次第にガルルルルというような唸り声も混じってきて、明らかに自分を見失っているような状態になってしまう。犬の「馬鹿走り」と世間では呼ばれているようだ。ユクも、家で馬鹿走りを始めてしまうこともあれば、外でよその犬に出会ったときにだんだんと興奮してしまい、馬鹿になってしまうこともある。このときが危険で、馬鹿、つまり自制心のない状態なので、自分の脚の限界など気にしなくなってしまう。そして、何かの拍子で脚が痛くなり、キャイン!と悲痛な叫びをあげるに至るのだ。私たちは、なるべくそこの域に達しないように、…