エメラルド・フェネル監督による現代版『嵐が丘』を観てきた。マーゴット・ロビーとジェイコブ・エロルディという、現代の美の象徴のような豪華キャストで描かれる古典的名作。私はE・ブロンテの原作を学生時代に読み耽っていたので、この映画化も公開前からずっと楽しみにしていた。 観た感想を一言でいえば、「まずまず」といったところ。 映像の質感や演出の感触は、なんというか、平成のネットの海に溢れていた「二次元なりきり小説」で、ジャンルタグに「狂愛」「エロ」が振られていそうな(わかる人にはわかるだろうか)、あの特有の閉鎖的な空気感だ。異常性と耽美をギュッとコンパクトにまとめ、現代の視覚的快楽として大衆化してみ…