単館系の映画館。娯楽性や話題性よりも監督の個性や芸術性を尊重する作品を上映することが多い。 全国ロードショーを扱う大手映画会社の劇場に対して、ある作品をその映画館単独で上映する劇場のこと。ミニシアターと呼ばれているが、劇場の大きさやキャパシティとは関係が無い。 1974年に開設された岩波ホールが日本における先駆け。 現在は首都圏に多数ある他、地方都市にも数多く存在するが、かつての「名画座」との位置づけが曖昧な劇場も多い。
いよいよ大晦日ですね。今、この文章を書いているのは12月31日の午前4時26分。FMラジオからジョンレノンの「イマジン」が流れています。 前回、2024年に読んだ本の話を書きましたので、今年中に「2024年に観た映画」の事を書いておかねばと、大晦日の早朝(もしくは、一之輔師匠風にいえば深夜の一番深いところ)にキーボードを叩いているのです。 www.fuku-taro.net ともあれ今年の話は今年中に終えて、気持ちよく新年を迎えましょう。 で、ようやく本題の映画について。 前回の記事にも書きましたが、今年は大分市が誇るミニシアター「シネマ5」の年間会員になっていたので、例年よりも多くの映画を観…
先日、テレビで深谷市に唯一あるミニシアター「深谷シネマ」が紹介されていました。 全国の映画館数がピークを迎えた1960年の時点では、深谷市の映画館は豊年座、ムサシノ館、電気館の3館が存在していました。1970年代初めまでにはこの3軒の映画館がすべて閉館。映画を見るためには、隣の熊谷市や、群馬県の高崎市に行くしかなかった。 その後、深谷市には映画館が30年間もなく、2002年に映画好きの人がNPO法人によりミニシアター「深谷シネマ」を誕生させた。その後、2010年4月、300年の歴史を持つ「七ツ梅酒造」跡へ移転しました。 ここは酒蔵が大きな倉庫になっていて、映画の撮影でよく使われています。全国で…
愛知県名古屋市今池にあるミニシアター「ナゴヤキネマ・ノイ」に行ってきました。 こちらのビルの2階にあります。 元々「名古屋シネマテーク」があった場所。 シネマテークは2023年7月28日に閉館。 その後、クラウドファンディングが行われ改装工事を経て、2024年3月16日にナゴヤキネマ・ノイが開館。 クラウドファンディングでは、延べ1597人、2708万9635円もの支援がありました。 もし自分も知ってたら支援したかった。 “今池ハードコアの街“ ミニシアターの灯を絶やしてはいけないという強い想い。 看板の洗練され文化の香りがするロゴ、劇場で配布されるチラシのデザインは名古屋芸術大学の先生と学生…
沖縄からこんにちは〜 今回は映画館で観たオススメ映画をご紹介いたします。 「ぐるりのこと」や「恋人たち」の作品を撮った橋口亮輔監督の新作です。 ストーリーは簡単で母親孝行のために三姉妹が温泉旅行にやってきて騒動となる。 これだけになります(笑) このシンプルなストーリーが4人の役者によってとてつもなく面白くなります。 長女の江口のり子(敬称略)の怪演とも呼んでいい演技が中心となって、 姉妹のこれまでの関係性が徐々に明らかになっていきます。 この映画には母親は出てきません。それでも三姉妹の話で段々と母親像が見えてくるのも面白いです。 この三姉妹の話は大体2対1で進んでいき、その組み合わせによって…
私には、ひとつの1~2泊用スーツケースがある。 2012年購入なので、すでに12年は経っている。ただし、ほとんど使っていない。いや、いなかった。その年の旅行のためにおそらく購入したあと、2016年までの4年間は何度か国内旅行には行っている。だが2017年に2度目の休職をしてから、ほぼほぼ使っていなかった、というか使えなかった。去年、引っぱり出すまで6年間眠っていたことになる。 11年経っても経年劣化することなく使えることにまず感動する。 シフレという旅行鞄の会社の製品。もちろん、今はもう販売停止されたモデル。 www.siffler-store.com 復職してからも、体調が思わしくないので国…
映画「宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました」を観た。 映画館で見るつもりは無かったのだが、夕方にちょうど時間ができたので、つい出来心で鑑賞した。 普段なら絶対に観ないタイプの作品ではある。でも、きちんと楽しめた。いわゆる「料金分は楽しめた」というやつだ。 www.youtube.com あらすじは以下に引用する。静岡のミニシアター「静岡シネ・ギャラリー」のポスト*1だ。 韓国軍の兵士が1等58億ウォンの当選くじを軍事境界線の向こう側に落として、北朝鮮の兵士に拾われちゃう映画を上映します。取り返したいけど境界線は越えられない。相手は相手で換金できない。奪い返すか手を組むか、どっちにした…
静岡のミニシアターで、映画『ノセボ』を鑑賞。 www.youtube.com 映画館の紹介文を以下に引用する。 ファッションデザイナーのクリスティーン(エヴァ・グリーン)は、夫フェリックス(マーク・ストロング)と幼い娘ボブス(ビリー・ガズドン)と共に幸せに暮らしていた。ある日、彼女は仕事中に奇妙な幻影に襲われる。その8か月後、原因不明の体調不良に悩まされるクリスティーンのもとを、ダイアナと名乗るフィリピン人の乳母(チャイ・フォナシエ)が突如訪ねて来る。雇った覚えのない乳母を不審に思うクリスティーンだったが、ダイアナの施す奇妙な民間療法により不調が治ったことで、彼女の治療に依存し始める。 予告編…
地元、横浜ネタです。 私が住んでいる区では、江戸時代末期、開港してから、神奈川宿(東海道53次の3番目の宿場)にあった寺が、いくつも、各国の領事館などとして使われた。その中で、ほんの2例だけ。 ↓の慶運寺は、浦島太郎伝説がある寺なんだけど、 フランス領事館として使われた。 それから、↓の成仏寺は、 アメリカ人宣教師たちの宿舎として使われ、あの「ヘボン式ローマ字」で知られるヘボン氏(「ヘボン」を現代ふうに発音するなら「ヘップバーン」氏)もここに住んでいた。 ヘボン氏は医師で、あの生麦事件(1862)が起こった際には、負傷者の治療に当たったそうだ。 あ~、歴史を感じる。 もちろん、建造物は当時の物…
昨年の旦過市場火災によって全焼したミニシアター「小倉昭和館」が、もう復活したという噂を聞いたので見に行ってみました。 ネオンが輝いています。 ↑火災の前の昭和館外観。2つあったスクリーンが1つだけになったことに伴いネオン看板も「昭和館①②」から「小倉昭和館」へ変わっていました。 燃えずに残っていた「昭和館①②」のネオン看板は、建物の中に飾ってありました。 内装が明るく綺麗になって以前と雰囲気は変わったけれど、このネオン看板があることによって懐かしさを感じられます。 座席の座り心地も良好。長時間の鑑賞でも腰やお尻に優しそうなシートになっていました。 この日は『ディス・マジック・モーメント』という…
数々の賞にノミネートされたベトナム出身のトラン・アン・ユン監督の長編デビュー映画『青いパパイヤの香り』の解説・考察をしていく。