量子コンピュータ はじめに、現在のコンピュータの世界を築いた基礎である半導体技術について述べた。第二部では、その上に立つソフトの世界(の中の一部)についてふれた。それらは1, 0の世界として成り立っていた。コンピュータの基礎である半導体トランジスタは1, 0という2値(ビット)を出力するスイッチ素子であるから。ともに発展してきたソフトウェア技術も1, 0の世界という制約のもとに築かれた。ソフトの記述言語が進化して、いかに以前よりはるかに使いやすくなったとしても、また、ソフトウェア環境が高度化されたとしても、その制約は変わらない。 しかし、量子コンピュータは、その制約そのものを取り払う、全く新し…