アブラハム・モール(1920−) フランスの社会学者、現代音楽理論家。フフンス内外の多くの大学で社会学、情報理論、芸術論などを教えながら、音響芸術論などの分野で多くの著作を著し、現代音楽や言語芸術に理論的影響を与えた。代表作に、『騒音の物理学』(1952年)、『情報理論と美的知覚』(58年)、『実験音楽』(60年)、『都市社会の貼り祇』(69年)、『芸術とコンピュータ』(70年)、『空問の心理学』(78年)など。モールは、1963年に社会学者的関心から「シチュアシオニスト集団への公開質問状」なる文章をシチュアシオニストに対して送り、ドゥボールから激しく断罪された。また、1966年以来、ストラスブール大学のコミュニケーション社会心理学研究所の所長を務めたが、その際にはシチュアシオニストらから教室でトマトを投げられて開講講義を開けなくされたという経歴を持つことでも知られる。