83年前のきょうを『天声人語(241208)』は思う▼<朝、おきてふとんを上げて居ると お母さんが「文ちゃん、いよいよアメリカとイギリスと日本と戦争しますよ」とおっしゃった>。国民学校初等科4年の大原文子さんは「米英戦争」と題した作文をそう書き始めている▼<「国民は心を引きしめなければならない」と言ひのこして行かれてお父さんの言葉を思出した>▼父親はそのとき、すでに軍に召集されていた▼当時、開戦を支持し、熱狂した人がいただろう。不安と絶望に身を震わせた人もいただろう▼<家にかへるととても大きな声でラヂオが話して居た>。文子さんの作文はそう結ばれている。ときは過ぎ、いま、勇ましい言葉が再び、聞こ…