第Ⅱ部 工業的様式第四章 初期の工業景観工業化の時代に入ってからは、風景が突如として変わり、その規模も昔とは比べ物にならなくなった。それまで最も大規模な建築物は、古代ローマ期の円形闘技場であり、中世の大聖堂であり、近世のヴェルサイユ宮殿くらいのものだった。p114より安価でしかも工場建築に適した資材を、工場は自らの手で生産するようになった。すなわち、レンガがこれである。フランスのどの地方でも、石切り場が閉鎖されたり縮小される一方で、レンガ工場が開設されたり、あるいは大々的に拡張された。p123鉄は新しい時代の主要な生産物であるが、同時にそれは生産用具であり、工業化期以降のあらゆる風景にその刻印…