#9 唇に触れていた熱がゆっくりと離れていく。 スタジアムの夜風が冷たいはずなのに、エマの身体は芯から熱くなっていた。 至近距離で見つめてくるライダーの瞳は、すっかり余裕を取り戻し、いつもの意地悪で愛おしそうな光を宿している。 「……おい、息しろよ、プリンセス」 「っ……! 誰のせいだと思ってるのよ、バカ!」 エマは真っ赤になって彼の胸をポカポカと叩くが、ライダーはその小さな両手を大きな片手で軽々と包み込み、自分の胸元に固定した。トクトクと響く彼の鼓動が、エマの手のひらにダイレクトに伝わる。 「誰のせいって、俺のせいに決まってんだろ。お前が可愛すぎるのが悪い」 「な……っ!」 「これで文句なし…