言語というものはその国の文化歴史習俗あらゆるものと密接に関わるものであり、単純にA=Bと訳せるものではない。精密な翻訳を行うには、当該言語圏で生まれ育った者同士が十分な時間をかけて意味の擦り合わせをしていく必要がある。 別にぼくはその界隈の専門家というわけではないけれど、これは世界の国々を旅するなかで学んだ視座みたいなものだ。 もちろんあれよ、内容が伝わればそれでいいという程度の翻訳であれば誰にだってできるのよ。しかし、心を動かす文章となるとそうはいかないからね。だから文芸作品の訳者として書籍にクレジットされるような彼らは、「翻訳家」という立派な職業なのだよね。 えっと、つまり……何を言いたい…