ロボットの外見や動作が人間に似てくるに連れて人間はロボットへ好印象を抱くようになるが、「似ている」の度合いがある時点に到達した瞬間から一気に嫌悪感を抱くようになるという現象のこと。さらに「似ている」の度合いが進み、人間とほぼ変わらなくなると再び好印象に転じる。
こうした感情的反応の高低をグラフ化した際、一部に谷ができることから「不気味の谷現象」という名前が付けられた。ロボット工学者の森政弘・東京工業大学名誉教授が1970年に提唱した。
「人と似すぎるとむしろ不気味になる」という経験則であるが、その詳細やメカニズムは分かっていない。
長く「人間とロボット」の間に発生するものと考えられていたが、科学技術振興機構(JST)・東京大学・京都大学・理化学研究所が2012年6月に「赤ん坊に『母親』と『他人』の写真をモーフィングで合成させると、それぞれ50%ずつの『半分お母さん』を見ようとしなかった」という実験結果を発見。不気味の谷現象と似た現象が、人間とロボット意外にも存在する可能性が指摘されている*1。