「16世紀に大航海時代を迎えたヨーロッパは、世界の拡大とともに繁栄を謳歌した。ところが16世紀末、宗教戦争が始まると社会は安定を失っていった。 “17世紀の危機”(例えば、17世紀中、小規模のものも含めて戦争のなかった時期はわずか4年しかなかったとされる)の最大の要因としては、小氷期の到来により気候が寒冷化したことである。農作物の不作が続いて経済が停滞し、魔女狩りをはじめとする社会不安が増大する。さらにペストの再流行で人口が減少に転じた(ちなみに、近年でもペストの感染は続いており、2004~2015年に世界で56,734名が感染し、死亡者数は4,651名(死亡率 8.2%)である)。宗教対立が…