香港の九龍半島にあった城塞。あるいはその跡地に建ったスラム街のことを指す。Kowloon Walled City。
正式名称は「九龍寨城」といい、現在は九龍寨城公園などになっている。
1898年にイギリスが新界地区を租借し、現在の香港にあたる地域全てがイギリス領となったが、九龍城砦だけは清領として残され、飛地となった。
清から中華民国、中華人民共和国と、中国大陸の政権が代わってもこの状態は続き、第二次世界大戦中に日本軍が占領した時を除き、事実上どの国の主権も及ばない状態になった。
戦後、大陸からの難民が流入し、文化大革命が始まるとさらに難民は急増し、彼らを収容するビルなどが無秩序に大量に建築され、「一回入ると出てこられない」と言われるほど密集したスラム街になった。また、どの国の主権も及ばないため、無法地帯になった。
香港返還が決まり、1993年〜1994年に取り壊しが行われ、スラム街は消滅。再開発後に九龍寨城公園(Kowloon Walled City Park)が作られた。
九龍城探訪 魔窟で暮らす人々 - City of Darkness
City of Darkness: Life in Kowloon Walled City