訓読 >>> 224今日今日(けふけふ)と我(わ)が待つ君は石川の貝に交(まじ)りてありといはずやも 225直(ただ)の逢(あ)ひは逢ひかつましじ石川に雲立ち渡れ見つつ偲(しの)はむ 要旨 >>> 〈224〉お帰りは今日か今日かと、待ち焦がれていたあなたは、石川の貝にまじっているというではないですか。 〈225〉もう、じかにあなたとお逢いすることは、とうていできないのでしょう。せめて火葬の煙が雲となって石川に立ち渡ってほしい、それを見ながら、あなたをお偲びしたい。 鑑賞 >>> 柿本人麻呂の妻だった依羅娘子(よさみのをとめ)が、亡くなった夫を思い作った歌です。依羅娘子は、人麻呂が石見国から京に…