人工透析を受けている人の医療費は、月にするとおよそ40万円前後かかるとされています。ダイアライザー、穿刺、返血、医師の診察や検査、そして薬代──これらが積み重なることで、非常に高額になるのです。 それでも、私たちが実際に窓口で支払う金額は、ごくわずかで済んでいます。これは、日本の医療保険制度や公費負担制度があるからです。高額療養費制度、障害者手帳に基づく助成制度、重度心身障害者医療費助成(自治体ごとに名称は異なります)など、いくつもの制度が重なり合って、透析患者の生活を支えています。 しかし、この仕組みは外から見るととてもわかりづらく、当事者であっても十分に理解できていないことが少なくありませ…