パニック障害は、最近になって名前は聞いたことがある、という人は多いのではないだろうか。私がはじめてこの病にかかったのはもうかれこれ10年ほど前になるので、当時はまだ知名度もそれほど高くはなかった。 当時、私が最初にこのパニック障害の症状に見舞われたのは、新卒の職場への出勤途中だった。電車の中で小説を読むのが習慣だったのだが、急に具合が悪くなってきた。まずイヤホンから流れてくる音楽がすごくうざったくなってイヤホンを外し、そのあと本を閉じてほとんど無意識にバッグにしまうと、吊革につかまりながら目を閉じた。このときは自分のこの症状が「貧血」だと思ったので、帰りに鉄分のサプリを買って帰ろうと思った。 …