歌舞伎座の十二月大歌舞伎第二部を観劇。平日の昼にも関わらず、八割方の入り。まずまずと云ったところだろうか。いよいよ歳も押し詰まってきた。今年も乏しい財力と時間の許す限り芝居を観て来た。個人的には博多座の團十郎襲名公演に行けなかったのが痛恨の極みだが、時間が取れず致し方なしと云ったところ。今月の歌舞伎座は恒例となった三部制。その中の二部の感想を綴りたい。 幕開きは『爪王』。戸川幸夫脚本・平岩弓枝の脚色と云う、歌舞伎としては異色の組み合わせ。それもそのはずで、初演は亡き猿翁が鷹匠で出ているとは云え波乃久里子が鷹を演じているので、新派に当てた舞踊劇。再演では先代勘三郎と波乃久里子の親子共演が実現した…