歌舞伎座三部を観劇。二部より更に入りが良く、ほぼ満席の状態。大和屋に松緑、中村屋兄弟が揃う座組。確かにこれでお客が入らなければ、歌舞伎に明日はない(笑)。しかも狂言が『天守物語』。いやがうえにも期待が高まると云うものだ。そしてその出来も、その期待を裏切らないものであった。 幕開きは『猩々』。松羽目物の傑作で、しかも長唄が三世河竹新七と三世杵屋正次郎による名曲。歌舞伎座でかかるのは七年ぶりだと云う。もっとかけて貰いたい狂言だ。しかし振りが難しく、あまり踊り手がいないのかもしれない。配役は松緑と勘九郎の猩々、種之助の酒売り。全員が経験のある役の様だが、当代では梅玉の舞踊と云うイメージがある。酒に酔…