映画女優。
1911年(明治44年)2月7日生まれ。東京市四谷区(現・東京都新宿区)出身。
1995年(平成7年)1月12日没。
貴族院議員の東坊城徳長子爵の三女で、本名は東坊城英子という。
無声映画(サイレント)時代にトップスターとして活躍。発声映画(トーキー)の時代になり人気は落ちたが、「怪談佐賀屋敷」などのいわゆる「化け猫映画」に主演し、「化け猫女優」として再び人気を博した。
長女は女優の入江若葉。
代表作
- 「生ける人形」(1929年、内田吐夢)
- 「東京行進曲」(1929年、溝口健二)
- 「雲の王座」(1929年、田坂具隆)
- 「都会交響楽」(1929年、溝口健二)
- 「この太陽」(1930年、村田実)
- 「元禄十三年」(1931年、稲垣浩)
- 「心の日月」(1931年、田坂具隆)
- 「満蒙建国の黎明」(1932年、溝口健二)
- 「滝の白糸」(1933年、溝口健二)
- 「新しき天」(1933年、阿部豊)
- 「神風連」(1934年、溝口健二)
- 「月よりの使者」(1934年、田坂具隆)
- 「雁来紅(かりそめのくちべに)」(1934年、鈴木重吉)
- 「貞操問答」(1935年、鈴木重吉)
- 「明治一代女」(1935年、田坂具隆)
- 「大菩薩峠」(1935年、稲垣浩)
- 「白衣の佳人」(1936年、阿部豊)
- 「女人哀愁」(1937年、成瀬巳喜男)
- 「からゆきさん」(1937年、木村荘十二)
- 「良人の貞操」(1937年、山本嘉次郎)
- 「禍福」(1937年、成瀬巳喜男)
- 「母の曲」(1937年、山本薩夫)
- 「藤十郎の恋」(1938年、山本嘉次郎)
- 「吾亦紅」(1938年、阿部豊)
- 「まごころ」(1939年、成瀬巳喜男)
- 「越後獅子祭」(1939年、渡辺邦男)
- 「妻の場合」(1940年、佐藤武)
- 「続蛇姫様」(1940年、衣笠貞之助)
- 「白鷺」(1941年、島津保次郎)
- 「阿波の踊子」(1941年、マキノ正博)
- 「川中島合戦」(1941年、衣笠貞之助)
- 「緑の大地」(1942年、島津保次郎)
- 「母は死なず」(1942年、成瀬巳喜男)
- 「翼の凱歌」(1942年、山本薩夫)
- 「進め独立旗」(1943年、衣笠貞之助)
- 「一番美しく」(1944年、黒澤明)
- 「壮士劇場」(1947年、稲垣浩)
- 「母三人」(1949年、小石栄一)
- 「肉体の暴風雨」(1950年、佐藤武)
- 「怪談佐賀屋敷」(1953年、荒井良平)
- 「怪猫有馬御殿」(1953年、荒井良平)
- 「怪猫岡崎騒動」(1954年、加戸敏)
- 「椿説弓張月」(1955年、丸根賛太郎)
- 「怪猫五十三次」(1956年、加戸敏)
- 「怪猫夜泣き沼」(1957年、田坂勝彦)
- 「椿三十郎」(1962年、黒澤明)
- 「病院坂の首縊りの家」(1979年、市川崑)
- 「時をかける少女」(1983年、大林宣彦)
- 「廃市」(1984年、大林宣彦)
大林宣彦と入江たか子
映画監督の大林宣彦は、入江たか子とその娘、入江若葉を主役に起用したTVドラマ「麗猫伝説」を撮っている。彼女が主演した化け猫映画へのオマージュに満ちた作品である。
大林作品では、他に「時をかける少女」に深町一夫の祖母役としても入江たか子が出演している。
また、入江若葉は大林映画の常連俳優となっている。