検閲と文学 (河出ブックス) 作者:紅野謙介 河出書房新社 Amazon 読んだ。 1月上旬は、tokyomxで放映されている反ワクチン陰謀論ドラマ『GODドクターNEOX』*1の影響で、各種メディアにおける表現の自由に対して個人的な関心が高まっていた。その過程で手に取った本。 本書は、1920年代日本における雑誌/書籍/演劇への検閲を題材に、文学者、編集者、内務省といったアクターに着目することで、戦前日本における検閲の様相について生き生きと叙述している。 各章の内容を大まかに記すと、検閲の根拠規定である出版法が十分な議論を経ることなく成立したこと(第2章)、大正期を代表する雑誌『改造』の創設…