入道も当然であると思いながらも、 胸に蓋《ふた》がされたほど悲しい気持ちもするのであったが、 源氏が都合よく栄えねば 自分のかねての理想は実現されないのであるからと思い直した。 その時分は毎夜 山手の家へ通う源氏であった。 今年の六月ごろから女は妊娠していた。 別離の近づくことによって あやにくなと言ってもよいように源氏は女を深く好きになった。 どこまでも恋の苦から離れられない自分なのであろうと 源氏は煩悶《はんもん》していた。 🚨🙇栄ねばを うっかり 「はえねば」と読んでます。 正しい読み方は「さかえねば」です。すみません💦 🌸🎼慕情 written by ハシマミ🌸 少納言のホームページ …