一条真也です。たった一字に深い意味を秘めている文字は、世界でも漢字だけです。そこには、人のこころを豊かにする言霊が宿っています。その意味を知れば、さらに、こころは豊かになるでしょう。今回の「こころの一字」は、「愚」です。 論語 増補版 (講談社学術文庫 1962) 作者:加地 伸行 講談社 Amazon 『論語』には愚者を評価する場面が出てきます。孔子はどうも、愚を高く評価していたようです。この愚の思想は日本にも伝わり、民間の口碑や伝説や格言などにも残っています。その1つに「馬鹿殿」なる語があります。後世の人々はこれを本当の馬鹿殿様の意味に理解していますが、そうではなく本当は殿様礼賛の語なので…