北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)による拉致被害者で、2002年に帰国した蓮池薫さんの著書「日本人拉致」を読んだ。北朝鮮での生活が24年、日本に戻ってきて23年が経つ。本の帯の著者の写真がその年輪の深さをうかがわせる。 北朝鮮は拉致問題を「解決済み」としているが、日本側としてはとてもそうは言えない。問題の長期化により、拉致被害者の家族、特に被害者の親世代は、横田めぐみさんの母・横田早紀江さんのみとなってしまった。日本政府には伝えていたと思えるが、蓮池さんもこれまで公にしなかった部分をあえてオープンにして、問題解決へ世論を喚起させたいのだろう。 日本人拉致 (岩波新書) 作者:蓮池 薫 岩波書店 …