映画「悪い夏」(2025)を見る。生活保護制度が不正受給、貧困ビジネスなどにより正当な利用者がもがき、制度そのものが崩壊しかねない現状を描くヒューマン・サスペンス・ドラマ。監督は城定秀夫、脚本は「ある男」の向井康介。原作は2017年に発売された染井為人の「悪い夏」(第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞)。 シリアスなテーマの群像劇だが最後に関係者全員が一堂に会して乱闘劇の修羅場になるのは滑稽でもあり痛烈な風刺コメディとなっている。 俳優陣が演技達者が集結といった印象。まずは河合優実。情緒不安の表情や自分を見失った行動。伊藤万理華は、正義感の塊の職員。ところが隠された過去が明かされてからの、それま…