●歌は、「かはづ鳴く神なび川に影見えて今か咲くらむ山吹の花」である。 岐阜県山県市 甘南美寺万葉歌碑(厚見王) ●歌碑は、岐阜県山県市 甘南美寺にある。 ●歌をみていこう。 ◆河津鳴 甘南備河尓 陰所見而 今香開良武 山振乃花 (厚見王 巻八 一四三五) ≪書き下し≫かはづ鳴く神なび川に影見えて今か咲くらむ山吹の花 (訳)河鹿の鳴く神なび川に、影を映して、今頃咲いていることであろうか。岸辺のあの山吹の花は。(「万葉集 二」 伊藤 博 著 角川ソフィア文庫より) (注)かはづ【蛙】名詞:①かじかがえる。かじか。山間の清流にすみ、澄んだ涼しい声で鳴く。◇「河蝦」とも書く。②かえる。[季語] 春。(…